ふつつかな酒

酒が好き。酒場に漂う空気が好き。だからほとんど毎日、立って飲んだり、座って飲んだり、酔ってまた飲んだり…。千鳥足ライターの酒日記。かばんや服作りのことも少々。

「オペラ座の怪人」

左腕をぶつけたと書いたが、
正しくは左肩と腕の接合部あたり。
私は胸が薄いので(貧乳をごまかすキレイな表現!?)、結構なるダメージ。
だが、痣などはできていないので放置プレイとしておこう。


土曜日に観に行ったのは劇団四季の「オペラ座の怪人」。
ミュージカルなんて興味のないジャンルだったのだが、
ファントムを演じている橋元聖地さんの声がとても魅力的で、はまってしまったのである。

12月に妹ダンナが、
わが父の前立腺がん手術成功祝いとして、
キナコ一家に観劇をプレゼントしてくれたのであった。
妹はずうっと前にやはり四季の「オペラ座の怪人」を観たことがあるという。
「なんかファントムが船漕いでばかりいる芝居で、ちょっと冗漫だった」と語る。
私について言えば、原作を読んでいるし、
ジェラルド・バトラーがファントムを演じる映画「オペラ座の怪人」を観たことがある。

しかし、どちらもちょっとモヤモヤした感じが残る。
ファントムはオペラ座に「給料をくれ」と言うが、
オペラ座の事故で仮面をつけることになったわけではないのである。
オペラ座に恨みがあるわけでもなく、ここに暮らすようになったので、
「オペラ座は俺の物」と思っているのだ。
また、ファントムが愛するクリスティーヌは、
ファントムと幼馴染のラウルの間で揺れ動く。
というか、なんか2人の男心をうまいこと利用してはいないか、と感じる。
どうもモヤモヤしてしまう筋書きなのである。

でも、家族で行くというイベントということで、と
観に行ったのだが…。

前半はふうん、という感じ。
休憩をはさんでの後半。
後半はファントムがオペラ座の地下にクリスティーヌを連れ去り、
婚約者のラウルは2人を追い、地下に向かう。

もともと黒い心を持ったファントム。
最後の最後で
クリスティーヌへの想い、そして身の程を知ってしまった哀しさがひしひしと伝わってくる。

聞いていて、黒キナコとしては共感すること、このうえなく。

帰り道、妹に
「なんかさあー、ファントムがすごく良かった」と言うと、
「え!私も。I LOVE YOU~と歌うところなんか、本当に最後の最後まで愛しさをこめて大事に歌ってて」
私「また行っちゃおうかな」
妹「行っちゃおうか。しかし、姉妹揃って同じ人にはまるとは(笑)」

ちなみに、私と妹、男性のタイプはまったく違う。
ただ、妹は私のタイプを見破れる。
いつか、ニュースで実況中継しているアナウンサーがとても好みだったので、
「おうっ」と思いながらテレビを見ていたら、
「お姉ちゃん、この人むちゃくちゃタイプでしょ」と指摘され、驚愕したことがある。

話を元に戻そう。
それから私たちは橋元ファントム情報をチェック。
またあの声が聴きたい!
いちばん安いC席でいいので、一緒に行こうと盛り上がる。

ところが…
それからしばらくして、橋元さんの名前からキャスト表に載らなくなって…

劇団四季について、それまで何の情報も持っていなかったのだが、
1つの役もたくさんの人が演じていて
一応、1週間のキャストは発表されるものの
確定するのは開演1時間前なんだそうな。

そして、2月。
キャストに再び橋元さんの名前が。
C席はリーズナブルな故か、すぐ売り切れになってしまう。
なんとかその週のチケットをおさえた私。
妹はこの日行けなかったので1人で行った。

舞台が始まり、やっぱりこの声はいい!と打ち震える。
以前はわからなかったクリスティーヌの気持ちだったが、
静かに、ときに激しく溢れるファントムの想い。
クリスティーヌが揺れ動くのもわかる。
ラウルとファントム、持っているのは別のものだから。

「わが恋は終わりぬ 夜の調べとともに」。
と、最後にファントムが歌い、長いはずの上演時間があっという間に終了。

そりゃもう、拍手しまくったのである。
ああ、あの声を聴きにまた行きたい。

先週出かけた中野ツアーについても書きたいのだが、
次はこの日続けて行った落語会→ひとり新宿ゴールデン街について
書きたいと思う。